兄「…まぁいいさ。それより、その人は今どこにいる?」

美知瑠「兎宿。とりあえずはそこで寝泊まりしてもらうことにしたの…。」

兄「そうか。まぁあそこなら安全かね。あそこから我らの居住地には、入ってこれない仕組みになってるしな。一応、里長には俺の方から伝えとくぞ?」

美知瑠「うん。ありがと。」



兄「…てか、今日はこの後どうすんだ?」

美知瑠「ん?あぁ…そうだね。この後は、まず兎宿に行って、それから寺の坊さんと中忍達の所へ。明日は丸居さんのお通夜するから、最終の打ち合わせに。」

兄「そうだな。」



美知瑠たち夜兎は、一般的な警察が、一切手出し出来ない組織として成り立っており、任務のためならば人を殺しても裁かれない。。(むろん、任務と関わりのない犯罪は論外だが。)


そのため、この里では昔から
自分達が殺した遺体は直ぐさま自分達で処理し、手厚く葬るという習わしが根付いている。



美知瑠「九條さんも…参列させてあげていいかな?」

兄「葬儀の参列は自由だ。行かせてやりたかったらそうしな。てか、九條って名なんだな。その人。」


美知瑠「うん。九条篤志さん。」



兄「それから?」


美知瑠「多分、そうこうしてたら日がくれるだろうし 今日はそれだけ。明日明後日はお通夜とお葬式。」

兄「そうか。」

話題がなくなった。

兄「よし!! じゃあ…もう下がっていいぞ。行きなさい。」


美知瑠「うん。じゃあね。」

兄「おぅ♪」





長い報告を終え

一つ荷が降りた美知瑠は
さっきより心なしか足どりも軽く

九條の待つ 兎宿へと向かった。