劇団員たちを再び眠らせた美知瑠たちは、皆で力を合わせ
稽古場に彼等を運び込んだ。
丸居は放心状態のまま、ステージに残されている。
美知瑠「よし。みんなお疲れ。とりあえずこの人達は、そこにあるでかいマットにタオル敷いて、その上にでも寝かせといたげて。あと…睡眠薬が効いてるかどうかのチェックがてら 軽〜い傷の手当てくらいはしてあげとこっか。」
瑠哉「はッ!!かしこまりました。」
美知瑠「よろしくね〜。」
下忍たちが作業を始める。
その間、美知瑠はふらふらと散歩に出かけ
しばらくすると皆のところへ戻った。
と、今度は劇団員たちの寝顔を観察し始める。
「美知瑠様は、本当は優しい方なんですよね…」
ふと近くにいた下忍に言われ
「そうかな。」
何気なく答える美知瑠。
美知瑠「今回の任務はいろいろと複雑だったからね〜。手当てしろって言ったのは 私自身が罪悪感から逃れたかったって それだけだょ。」
言いながら佐々木の寝顔をガン見する。
(半目で寝てるよ。この人。)
一時間後
一通りの手当てを終え
帰ろうとする下忍たち。
だが、美知瑠はあるメンバーの寝顔を見ながら ボーッとして、動こうとしない…。
部下たちは皆心配気だ。
見兼ねた瑠哉が、そっと話しかける。
瑠哉「みちる…さま?」
美知瑠「…。」
瑠哉「美知瑠様!!」
美知瑠「……ッはい!! え?あれ?私…。」
やっと気がついたらしい。
瑠哉「美知瑠様、しっかりなさいませ。」
美知瑠「…あ、あぁ。そうだね。…皆、すまない。」
瑠哉「美知瑠様…。 そのお方を気になさってますね。」
美知瑠「あ…いや…その…。」
明らかに動揺している美知瑠。
瑠哉「好きなんですか?もしかして…。」
美知瑠「ッば…馬鹿!!何言ってんの!! んなわけ無いでしょ? んなわけ……」
図星のようだ。
瑠哉「まぁどちらでも良いのですが…。もしあれでしたら、一緒にお連れしますか?口実なら、後でなんとか考えまましょう。」
美知瑠「ちょッ…!!何言って…。」
瑠哉「美知瑠様?」
目で威圧する瑠哉。
なんだか情けないが
美知瑠は瑠哉の目に負けてしまった。
美知瑠「…好きにしな。」
素直じゃないのが
珠に傷。