丸居「…そうですか。」

美知瑠「でも、まだ殺しません。」

丸居「執行猶予付きですか…。」

こんな時にも冗談を言える彼は、天才だと思う。


美知瑠「まぁね。でも、もっと残酷だと思いますよ。」


二人の会話を聞き、

周りのメンバー達も徐々に目を覚ましてゆく。


丸居「公衆の面前で殺す…とかですか?」

美知瑠「流石は丸居さんだ。それもありかもしれませんね」

丸居「まぁいいか。」

美知瑠「何がです?」

丸居「愛しのルルちゃんに殺されるなら本望だし、メンバー達に看取ってもらえるんでしょ?なら嬉しいよ。」

美知瑠「…ッ!!」

唐突に言われた甘い一言に、ちょっとだけ泣きそうになった。

美知瑠の顔が赤い。


丸居「…皆、もう起きたかな。」

丸居は彼女のため、なるべく朗らかに話をする。


美知瑠は紫苑を殺したくなんてない。

これが本音だ。

だが やらねばなるまい。
ここまで来たんだ。



丸居「ルルちゃん、平気?」

無言の執行人に優しく微笑みかける受刑者 とでも表現しようか。



そんな時、美知瑠の背後から急に声がした。


佐々木「…起きてないっすよ。紫苑さん、みんなまだ寝てます。」


最初から、紫苑の前で話を聞いていた佐々木が口を開いたのだ。

『皆まだ寝てる』なんてのはもちろん嘘だが

彼なりに気を遣っているのである。


美知瑠「…らしいよ。まだだって。」

丸居「アハハ…そうか。」