その頃から、この都市伝説は、小さな火を灯しだしていた。


そんな翔太のはちゃめちゃ劇から3年。


その噂話は、誰もが知っている都市伝説へと、姿を変えた。


「そんなの出任せだと思うなぁ〜。」


「でも昔、そんな事件あったでしょ?」


「そうね〜私がまだ高校生くらいの時に、たくさんの人が行方不明になる事件があったわ。五十人くらいだったかしら。亡くなった方もいたけど、生き残った人の話では、悲惨な状態だったらしいわ。」


「犯人も結局、捕まってないんでしょ?」


「犯人は自殺したって噂よ。」

「都市伝説って〜元々は悲惨な事件や事故を元に作り出された作り話だよォ〜。ひきこさんや口裂け女だってそうだし〜。」

「ひきこさんはそうだけど、口裂け女って悲惨なの?」


「口裂け女には、いろんな説があるわよ。昔顔に傷を負った女が病院で手術をする時、医者の頭にぬられていた、大量のワックスの臭いに耐えきれず、頭を動かしたら、メスで口が裂けて切れたとか、犬神のたたりを受けて、裂けたとか。」


「ママ詳しいねぇ〜。」


「好きだからね。」


「初めて知った。もっと教えて。」


それから二人は、朝まで都市伝説で盛り上がった。