なぜこの新婚夫婦のアパートに母親がいるのか。


それは翔太のわがままから始まった。


二人が出会い、付き合いだしてから一ヶ月後、


ついに限界に達した、翔太は母親に泣きついた。


祥子は家に帰ってくるよう伝えたが、百合と離れたくないと頑なに拒否。


家族で話し合った結果、家に家政婦を雇い、祥子は翔太の家へ引っ越すことにした。


そしてあろうことか、交際期間わずか一ヶ月にして、翔太はとんでもないことを言い出した。

「ママ〜僕百合と結婚したいなぁ〜」


「いくら何でも早すぎるわよ」

「いやだぁ〜したいよ〜。」


この時、祥子は、息子を甘やかしたことを、少しだけ後悔した。


「じゃぁ百合さんに聞いてごらん。百合さんが良いって言ったら結婚しなさい。」


それを聞いた翔太は、すぐに百合の部屋へ向かった。