「えっと~・・・。3小節目は、もっと旋律の人たちが大きく吹くようにして下さい。」


「はいっ!」



「それから、金管はなめらかにして、木管の響きと重なるようにして下さい。」



「はいっ!」




「じゃぁ、以上で終わりま~す。パート練習に戻って下さい!」




見ての通り、ここは吹奏楽部。



そして私は部長で高3の海野純。


部長になるのはすんごい嬉しかったけど、先生の代わりに合奏の指導とか、楽譜の管理とか・・・。



いろいろ仕事多くてきつい・・・・・。




この南澤学園吹奏楽部は男子3人、女子22人の総勢25人といたって小規模な吹奏楽部。



県大会には毎年行ってるけど、全国大会に勝ち進んだことは私が中1のときの1っ回きり。


それほど強いってわけでもないし、かと言って弱くもない。



本当に平凡って言葉が似合うチームだと思う。