ここは、南澤学園。


中高一貫校で、県内では名の知れた名門だ。



私は海野 純。


中学受験をし、ぎりぎりセーフでここに入学することが出来た。


あれからもう、6年という月日が経ってしまった。



今年で、私はこの学園を卒業する。


私の6年間が、私の青春のピースがいたるところに散りばめられたこの学園を。




そして、私達が青春のすべてを捧げた、あの音楽室とも。




右手に持つクラリネットが、なんだか寂しそうに見えた。