内心また生活態度で注意でもされるのかとうんざりした俺は、高木さんの正面に用意されたパイプ椅子へ座るよう桜井さんにうながされた。


テーブルを覆っている透明のビニールクロスを見つめていた高木さんが顔を上げる。


「圭介、早く座りなさい」


「……はい」


低くぼそりと答えた俺は、ぎしぎしとうるさい椅子にゆっくりと座った。


基本的に俺は高木さんが好きじゃない。


高圧的な態度に目つきの鋭い悪人面、声だって無駄に大きくて最初に学園に来た時から未だにこの人だけは好きになれずにいる。


背もたれに背中を預けてまるでふて腐れたように見える俺の態度に、早速高木さんの説教が始まった。


「最近のお前の様子、またおかしくなっていないか?学校は一応通ってるみたいだが遅刻早退が目立つし、夜も遅くまで起きてるらしいな。やっと高校に上がって真面目に生活すると思っていたのに一体どうした?」