「勢いだけで、彼氏の前に出ても、向こうも意固地になって話なんて出来る状態じゃないし。あんたも動揺しすぎで、いらん事まで話して墓穴掘りかねないわよ?」
ね? と笑いながら言うナナの言葉には何処か説得力があって…、私は少しだけ落ち着いて、頷いた。
「わかった…。ちょっと、不安だけど…」
少しだけ笑って、皆を安心させた。
「……カナコちゃん…。それよりも何であんな所に彼氏いたのかな?」
ショウ君の言葉に、私はそうだと思った。
だって、あんな場所…居酒屋…て、言うかお洒落な居酒屋にシノブ君が来るのかしら?
「僕の推測だけどね。飽くまでも…だよ? 彼氏の後から来た人の表情を見る限り…誰か紹介されてたか、合コンでもしてたんじゃないのかな?」
私は体が氷のように固まった。ショウ君の言葉に収まってたはずの不安が溢れる。