ボクの事が嫌いになったんじゃないのかとか、親がボクと付き合う事に反対されて携帯を取り上げられたんじゃないか…とかとか、グルグルと浮かんでは消える不安な日々を過ごしていた時、8月に入ってからカナコからようやく電話がかかって着た。

1か月と少し、連絡が繋がらずに悶々とした不安を抱えていたボクは、カナコに引かれたんじゃないかと思うぐらい「どこにいたんだ」とか「心配したぞ!」とか文句を言いまくった。

けれどカナコは、引くどころかボクの心配する声と言葉にいたく感動をしてたみたいだった。

ごめんなさい。と謝ったカナコは、それからも突然、連絡がつかない時が何度もあった。

その度に説教をするが、あまり功を奏した事はない。



「ねぇ。カナコはどうして無断外泊するの?」

彼女のために作った甘めのコーヒーをカナコはオイシそうに飲む。
そのカナコの顔を見ながらボクは尋ねた。

「んー? 友達の課題を手伝ってたの。連絡しようと思ってたんだけど…気付いたら朝だったの…」

アハハハと笑うカナコだけど、僕は随分前から彼女にたいして一つの疑問があった。





「……この間もそんな事言ってなかった?」