『お盆明け直後に会える? それまでに行きたい所、考えていて。あ、遠い所は無理だけどね』


「…うん、うん…」


社会人である、シノブ君を困らせたくなくて、堪えていたんだけど…嬉しくて嬉しくて、返事する声が震えちゃう。


あ…ヤバい鼻の奥が痛い…。泣く寸前だわ…。


ん…あれ? ショウ君が手招きしてる? 誰、呼んでるのかな? …もしかしなくても、私?


「シャナちゃ~ん」





ショウ君? どうしたんだろう…。
しきりに手招きするショウ君。何かあったのかな?


「行ってきたら?」


「え? うん、わかった…。シノブ君、ごめん。ショウ君に呼ばれたから行くね」



浮かれていた私は、シノブ君に言った言葉を自分で理解してなかった。




だからこの時、彼が誤解してる事すら気付いてなかったの…。