『いいなぁ~…。僕もお盆明けの休みにどっか行こうかな』
まるで独り言のように喋るシノブ君に私は次の言葉が出てこない。
もしかして…一人? それなら、まだ耐えられるよ…。男友達だけで行くのも少し、耐えれる。
けど…本心は…
『カナコ?』
「一人で行っちゃうの? それとも…」
他の女の人と…? その言葉が出なく…出したくなくて、口の中でモゴモゴとしていたら『フフ…』と笑い声が電話ごしに聞けた。
『カナコは、どこか行きたい所があるの?』
「へ、シノブ君…?」
予想外と言うか…期待してたと言うか…。欲しかったシノブ君の言葉が嬉しくなって叫びたくなる。