『一人で旅行に行っちゃうの? …それとも……』




そこまで言い終えたカナコは小さくなった声で電話の向こう側でモゴモゴ言って、何を言ってるかわからないが、何を言わんとしてるかはわかった。


「…カナコは、どこか行きたい所があるの?」

『…シノブ君…?』


「お盆明け直後に会える? その時まで考えてよ。遠い所は無理だけどね」


『…うん…うん!』


相当嬉しいのかな? カナコの声が少し震えていた。



『あ、え? うんうん…わかった。…ごめん、ショウ君に呼ばれたからいくね』





「は…?」




ぶっ。