その姿はカワイらしものがあるが、今のボクには関係ないと心を鬼にして、ズボンのポケットに入れていた携帯を取り出して彼女の自宅へ電話をする。

「シ、シノブ君!」

慌てるカナコを無視して、彼女の自宅の短縮番号をプッシュ。

カナコと付き合いだしたのは、彼女がまだ高校生だった。

年の差5歳とは言え、両方が同意をしてるとは言え、世間から見ればイヤな視線を感じ
るのは当たり前だと考えていたボクは、彼女の親に挨拶をしようと決意した。

もちろん、カナコはそんな事しなくてイイと言ったが、そう言う訳にはいかない。

それは、カナコより5年早く生まれ、世間のホンの欠片しか見れていない自分が思った事だった。

片親で育ったボクは親の大変さを垣間見ていたため、そういった配慮だけはスグに理解していた。

もちろん、カナコの親に挨拶に行った時は、2人の交際歴は3か月もたってない時だったが、けじめはケジメ。

そんなボクの行動にカナコの親はいたく感動したらしく、晴れて親公認の交際がスタートした。