「な、なんだよ…」


「タケル…。何か拾い食いでもしたか?」



「うっせッ!」



そう言うと、ペチンと唖然としたまんまの僕の額を叩いて、外回りのために仕事場へと戻って行った。


僕はそのタケルの後ろ姿を見ていると、何だかやる気が出て来た。


よく見たら、数回しか吸ってないタバコは既になくなる寸前。


そのタバコを近くの灰皿でもみ消して、一度、伸びをする。


「タケル!」



外回りに行くためにエレベーターの前に立つタケルに、僕は声を掛けた。





「…あ?」




「サンキューな!」



「ばーか。礼は出来上がってから言えよ」



頬を少し赤らめたタケルが、ちょうど来たエレベーターに乗り込んだ。