見るに見兼ねた部長が「15分休憩を取ってこい」と言われて僕は喫煙室へと歩く。
カナコの前、自分の部屋では一切吸わないけど仕事中はどうしてもイライラしちゃうからな…。
吸い込んだタバコの煙は、肺に染み込んで僕のイライラを沈めていった。
「あぁ~…ちくしょー! 何でパァにしちゃうかな~」
グシャグシャ!
朝、セットした髪が乱れるのを無視した。
…それだけ仕事をパァにした自分が憎い…。
こう言う時にカナコの明るい声が聞きたい。
スーツのポケットに入ったままの携帯を取り出した僕は、カナコの携帯にかける。
『ただいま、電話に出る事が出来ません。留守電…』