ちょ、ちょっと待て!! 確かに可愛いけど僕は痴漢と間違われている訳で、かなりピンチなんですけど!!




っつーか、小さッ!! こんな小さな身長の子を痴漢なんてかなり無理だろう!?


ってか、鳩尾の衝撃が信じられなくて、僕は立ち上がりながら女の子を見つめていた。


「ってか、知らないよ! 僕は無実だッ!!」



我に返って、女の子に念を押す。


もう、周りから白い目で見られても構わない! だって、僕は正真正銘、無実なんだから!!



でも正直、目の前の女の子が少し潤んだ目で睨み付けている姿に、同情をしてしまう。


同情したくなるけど、僕も被害者だと思っちゃうよ…。


無実の罪を着せられそうなんだから!


「……あ、あのぅ…」



二人の声ではない声が、割って入ってきて僕はそっちへ視線を向けると中年のおばさんが、申し訳なさそうに立っていた。


「もしかして、この子のせいじゃないかしら…?」




パッと見れば、おばさんが持っていた籠バックの中に入っていた小さなチワワ。