「…ッ痴漢!!」
そう悲鳴が上がったかと思った瞬間、僕は自分の鳩尾辺りに将棋機が走る。
「ぐっは…ぁ!!」
衝撃と同時に床に尻餅をついてしまった。
何が起きたのか僕は、理解出来ずに顔を上げてみると…一人の女の子が、目を真っ赤にして睨み付けていた。
な、何だぁ?
視線が一気に僕に集まる。
その視線も冷たいモノや疑うようなものばかりで…。
………おい、おいおいおいおいおいっ!!
誤解だ! 僕は何もしてないぞ!?
「ち、痴漢…って、僕がぁ!?」
「あなた以外どこにいるのよ!!」
「ちょ、ちょっと待ってよ。僕は立って携帯をいじってたんだぞ!? それを痴漢だなんて…!!」
「…じゃあ、あなた以外に誰がいるのよ!?」
そんなの知るかー!! って、怒鳴りつけたかったけど目の前の女の子がウッスラと目に涙を溜めていた。
ドキ…。