その反動で…じゃなくて、耳元に…頬に感じる懐かしい気配に、手が震えて持っていた携帯をズルリと下へ…下へ、お気に入りの携帯が硬いコンクリに落ちていった…。

「シ、シノブ君。どうして…ここに…?」

振り返れないまま、私は久しぶりに感じるシノブ君の体温、重み…そして、心に染みる存在が私の中に嬉しさがこみ上げてくる。


「ん~? 久しぶりにカナコの体温味わいたいから」


ちょ…ちょっとぉ!? ななななななな何で私の髪に頬ずりするわけぇ?

ややややややだって訳じゃないわよ!!
むしろ喜び? っつーか超、萌☆よッ!!

た、ただ、私の思考回路が追いついていかないのよ!!

ぎゅぅ…って、抱きしめられる私は身動きできなくて…でも、話さないでほしくて…、息が止まりそう…。


「…好き」

「ぅん…僕もカナコが好き」

溢れる感情をどうやったら伝わるんだろう。「好き」の一言で終わるようなものじゃない。


好きより上回る感情。「愛情」なのかもしれない。