私服に着替えて、私は早々にお店から出て行く。…これ以上ここにいたら、もっとおもちゃにされちゃうもの!!



「……カナコ…」
「ッ!! ……ダ、イスケ…君……どうして、まだ、ここに…」

「ちゃんと、誤りたくて、さ…」


お店から出てしばらく歩いてて、駅の改札口に近づいる時にダイスケさん…じゃなくて、君に声をかけられて私は驚いて目を丸めて彼を見る。

てっきり、帰ったと思っていたのにここにいるから…ビックリして、固まった。
あれから、てっきり帰ったと思ってたんだけど…。何だか居心地が悪いな。


「カナコ…。俺、少しイライラしてて、半分…八つ当たりっていうか、シノブが羨ましいっていうか…」


視線をあちこちさ迷わせて、一つ一つ言葉を確かめるように喋るダイスケ君の姿は、初めて逢った時のシノブ君とダブらせてしまう。


シノブ君と出逢った時も、彼があーでもないこーでもないって、悩んで言葉を伝えようとしてくれた。


それを思い出すと、ダイスケ君がいるにもかかわらず大笑いしてしまった。