「言い訳するつもり!? ヒドい…。私なんて、遊びだったのね!?」
「ちーがーうー!!」
人の話を聞かずに、自分の被害妄想に囚われるカナコを必死に僕の方に振り向かせようとするけど、いう事を聞いてくれない。
僕の中で焦りが走る。
「……なーんちゃって」
「は…?」
悲しそうに、泣きそうな顔で僕を非難してたカナコがいきなり満面の笑みになって、僕に抱きついた。
な、何だ? 何が起きたんだ?
「シノブ君が、慌てて言い訳してくれたのが嬉しい! 私ね。あの日、ショウ君からシノブ君にした事を聞いたの。タケルさんからもメールでちゃんと本当の事、読んでわかってるから」
「……………」
「…シノブ君…怒った? ごめんなさい。本当の事知ってたけど、シノブ君がどう言って言い訳してくれるかが楽しみで…。でも、ごめんなさい」
「……本当だよ…。驚いたよカナコ、心臓に悪いから止めてね?」
コクンと僕に抱きついたままカナコは頷いた。