しかし、僕の頭に引っ掛かったのは『合コン』だった。

「何で僕なんだよ。タケル、知ってるだろ僕は彼女持ちだって…」

「知ってるけど、人数がそろわなくてさ~。でも、幹事の子にお前の写メ見せたらすんげぇー気に入ったみたいだからよ~。断れないだろー」


どんな写メを見せたんだこいつは…。


勤務中だって言うのに、タケルは仕事をそっちのけにどんな子がくるのかな~と妄想を膨らましていた。


「タケル…。課長がこっち睨んでる…さっさと自分の席に戻れ」

「いいけど、合コンには参加しろよ。これ、強制な!」


ニヤリと笑ったタケルは僕の言葉に耳を傾ける事なく、自分の席へ戻っていった。

僕はただただ唖然としたまま、タケルの背中を見送った。

自分勝手のタケルだけど、僕は一切気にならない。


タケルと僕は2才の年の差があったけど、同期入社だったからか、彼が単に人見知りしない質らしく入社面接の時に隣りどおしだった事もあり、意気投合した。