何を言われているのか理解出来なかったのか、カナコは目を点にさせて僕を見る。
横目でダイスケを見たら、少し悔しそうに僕を睨む。

……だって、そうだろう? 僕のカナコに手を出そうとして、中途半端に彼女を泣かせたんだ。少しだけ報復させてもらっても罰は当たらないじゃないか。


「…ダイ、スケ………君…?」

「そう。君より4歳下だよ? 只今、高校受験真っ只中! だよな? ダイスケ」


目を細めて、少しだけ怒りを露わにして言うと、ダイスケは少し怯んでいるけど、僕はそれを無視して話を続ける。

「おまけに、担任に志望校変えろって言われてムカついて殴る事はないだろう? 嫌なら話し合いすればいいのにね…。そう思うだろうカナコ?」


よく見ればカナコは真っ青な顔をしていた。

…それもそうだろうなぁ…。カナコを悩ますほどアプローチしてきたのは実は年下だったって事に…。


…そう思っているとカナコは、フラリと立ち上がりダイスケの方へゆっくりと歩いていく。




「カナコ?」