オニギリとかオムライス作るなんて簡単じゃないっていう人が多いかもしれないけど、意外と出来ない子が多いって言うのを知ったのがこのバイトに入ってから分かった。
出来ない子は即落とされる。出来る子は、候補に残る…って事。
私はキッチンへ行くと、もう独りのバイトの子がテンバっていた。
「あぁ!! 助かったぁ! 一人だけだったから…」
メガネの奥がウルウルとして私を見る。
「じゃ、取りあえず片づけをしてから、注文を受けるから!」
そう言って、どれだけの食器を洗って、どれだけの料理を作ったか、忘れた時にもう一人のキッチン当番の女の子が現れた。
その子と入れ替わるように私はホールの方へ出て行った。
日曜日と言う事もあって、お客…ご主人様・お嬢様の出入りが激しい…。
何人か待っててもらっている状態だわ…。