二人を引き離した後、カナコを駅まで送ろうとすれば、ダイスケも付いてくるし…すっごく気分が悪い。どうやっても、あいつは引っ付いてくるし、カナコもどうすればいいのか戸惑っているばっかりで、仕切りに僕を見ては袖をキュッと掴んでいた。

駅に着くまでダイスケは、カナコにずっと話しかけていた。


「メール、ちょうだいね?」


コッソリと囁いてくれたカナコの声は、どうやら僕だけに届いたらしくダイスケはまったく何も反応しなかったようだ。

少しだけ笑うと、僕だけに伝わった事が分かったカナコはホッとして帰っていった。


「なぁ、シノブ。彼女といつから付き合いだしたんだよ? カナコっていくつ?」


家に戻るまでの間ずっと、ダイスケの質問攻めにあっていたけど、無視を決め込んでいたけど…家にたどり着くなり僕が奴を攻撃をする。


「…ダイスケ。何が不満なんだよ…、学校で嫌な事でもあったのか? おばさんから突然、出て行ったからそっちにいるんじゃないのかって連絡があったんだぞ?」

「ちっ…。あのバッバァめ…」
「受験間近で何してんだよ」