「シノブ、カナコちょうだい?」
突然、現れた従兄弟のダイスケは、僕と瓜二つの顔立ちをしているため親戚一堂集まる度、どっちがどっちだってゲームを始める。
僕はそう言った遊びが好きじゃなかったけど、毎回巻き込まれてやる羽目になる。
毎度そうなったら僕が諦めればいいだけ…。
けれど、今回は諦められる訳ないだろうッ!!
カナコが絡んでるのに、簡単に諦める事なんて出来ないんだぞ!?
ダイスケの欲しい癖は、困った問題だ…。
…特に、僕が持っているものは何でも欲しがっていた…。
冗談じゃない!!
あの後、カナコとダイズケを引き離すのに躍起になったのは言うまでもない。