かあぁぁぁッ!

私の顔…絶対に湯気が出てるわ…。

「本当に?」
「…もう言わない」
「意地悪る…」

本当に意地悪そうに笑うシノブ君は、そのまま私に背中を向けてテレビ…ニュースを見る。

シノブ君の仕事は営業だから、取引先の話題に乗り遅れないように経済から芸能、はたまたローカルの話題まで知り尽くしてる。

時々、私も勉強になる事もあるしね。

やっぱり、シノブ君はカッコいい。

社会人だもんね…。






「…そう言えば、カナコのバイト先の名前ってなに?」
「えッ…!?」


突然のシノブ君の問い掛けは、私の心臓の動きを速めた。

「実は得意先と接待する喫茶店のネタがついたから、カナコの喫茶店にしようかって…カナコ?」



「ぃ…いやぁ! だめッだめだめだめぇッ!!」



気が付いたら、ベッドの上で立ち上がって、首を振って力一杯拒否した。