だって、昔の過去があるから僕がいて、カナコガいるんだ。それだけで、カナコを拒絶する理由にならない。

カナコだから好きだ。

照れて、顔を俯かせてどんな表情をしているかがよくわからない。


「カナコ?」


顔を覗き込もうと、した。
泣きそうになりながらも、口の端を少し歪ませているけど…その表情はどうみても泣きそうだけど、少し笑顔にも見える。

「どうしよう…。嬉しいのに泣きそう…。どうしようシノブ君…。どうすればいいのかな……?」


仕舞いにはボロボロと涙を零していく。


「泣いちゃえばいいんだって…」


もう一度抱き寄せて、カナコを思いっきり泣いてもいいようにした。

すると、小さな泣き声が僕の耳に微かに入ってくる。

小さくて、可愛くて…愛しくて………。




守ってあげたくなる。


「カナコ? ココにいる事、家族には言ってる?」


「……………シノブ君……。そこで、現実を言わないでくれる? 確かに、家族には言ってるけどさ~…」


「ならOK! 今日は僕と一緒にいてくれる?」