「ッ…シ、シノブ君!! 恥ずかしいからやめてよぅ!」
僕の腕の中から抜け出そうとしているけど、今までカナコって言う充電が出来なかったから、堪能したかったのにな…。
残念に思いながら、腕を解いてカナコを開放するけど彼女の手だけは繋ぐ。
「ねぇ、シノブ君…。気持ち悪い…って、思わなかった?」
さっきまで、真っ赤になっていた顔から真顔に戻ったカナコは、まだ不安に思っていたのか、恐る恐る尋ねる。
カナコの不安を感じ取った僕は、繋いだ手に力を少し込めて口を開いた。
「驚いたけど、気持ちが悪いなんて思っていないよ。僕、カナコが好きな世界は…正直、全部理解していない。…もしかしたら、かけらも理解してないかもしれない。でも、…でもね? カナコは、カナコだろ?」
…だって、画面に映っていたカナコの仕草も表情も、カナコのままだった。…例え、ノリノリであのコスチュームを着ていてもかまわないと思ったし…何より僕の話をした時のカナコの表情が、愛しいと思ったんだ。
「あのカナコがいるから、今のカナコが僕の目の前にいるんだから…自分を否定する事はするなよ?」
「……あり、がとう…」