僕の胸に手をあてて、逃げようとするカナコの後頭部を確りと手でホールドして、キスをする。
足に力が入らなくなったのか、地面に吸い寄せられそうになって僕はようやくカナコを解放した。

「…ふ…ぅ……、ばかぁ…」

真っ赤にした顔で睨むけど、それが煽っている事わからないのかな…?


「カナコ? 好きだよ…」


真っ赤だった顔がよりいっそう赤くなって、俯いて彼女の旋毛が見えるけど…そこも赤くなっている…。


「僕にはカナコしかいらない。…確かに木庄さんの告白は嬉しかったけど、カナコと両天秤かけるんだったら、絶対にカナコを取るよ」

「……わかった…。ありが、とぅ…」


真っ赤になった顔はようやく上げてくれて、僕が待ち望んだカナコの笑顔を見る事が出来た…。



…それが嬉しくて、嬉しくて、僕はもう一度カナコにキスをする。さっきより軽く、重なるだけのキスを…。