「シノブ君は、シノブ君だから好きなの!! そんなので人を判断した事ないもん!」
「……ありがとう…」
ギュッと、私の抱きしめる腕が強くなるのが分かる。
それが、私を安心させた。
ゆっくりとシノブ君の体に身を委ねれば、彼の心音が聞こえる。
…安心する……。
「カナコ…。僕は、カナコの事が好きだ…」
「……シノブ君…」
胸の奥が痛くて、涙が出てくる。
それは、切ないのと嬉しさがゴチャゴチャになって…胸がいっぱいになって涙が零れる。
「いいよ? カナコが、漫画好きでも…コスプレ…だっけ? それが好きでも構わないよ」
「…シノブ君……」
信じられない言葉が私の耳に入ってきた。
「…ただ、ちゃんと連絡だけは入れてくれよ? 一番恐ろしい事まで考えちゃうから…」
「ぅん…。うんう、ん…」
私はただただ頷いて、シノブ君に抱きついて泣き出した。
声を上げて…。