手渡されたロムをボゥと見つめていた僕は、自分の戸惑う気持ちはいまだに不安定なものだ。
カナコへ対する気持ちがアヤフヤになっている。
「……ねぇ」
ロムをジッと見ていたおかげで、僕に声をかけられている事に気づかなかったみたいだ。
顔を上げてみて僕は呆然とした。
どこかで見た事のある顔。どこかで会った顔か？
「あの人と付き合うの？」
「…別に…」
突然現れて、突然何を言い出すんだろう…。
ちょっと、ムッとして閉まって僕は目の前の女を睨み付けた。
「君は？」
「……飯田翔嘉（いいだしょうか）。カナコちゃんの同類」
「…ど、同類？」
ニッコリと笑う飯田さんとか言う彼女は、どこか怪しげな雰囲気をかもし出していてた。
「それに、答えが入っているから…。彼女の気持ちも……『僕』の事も」
