ちゃんと、本当の事を言おう! そう決意して私は、今、目の前に佇む建物を見上げる。
「カナコちゃん。…ちょっと、まって…」
後ろから聞き覚えのある声が…。
「あ…ご、ごめん…」
ハァ…とため息を吐いて、辺りを見回して私が見上げていたビルを同じように見上げた。
「ここにいるの? カナコちゃんの彼氏」
「うん。まだ、5時前だから仕事中だけど…。どうしようか。どっか、喫茶店にでもよって時間潰す?」
目の前に立ってるのはモデル並みの美女が立ってるから、回りの営業さんらしい人達の視線がちょっと痛いかも…。
「でも、それしてたらいつ出てくるかわからないよね」
「……ぅん」