夕方5時。…と言っても、日差しが強くていまだに外へ出るのが苦痛だ。
それでも、熱い外へ出て行こうとする、女性軍団に呆れながらも僕は、まだ少し残った書類の整理を続ける。
仕事をしている間は、カナコの事も『ショウ』の事も少しだけ忘れる事が出来る。
「坂上君…」
「……へ…? ぁ、木庄さん。どうしたの? もう、仕事終わったんじゃ…」
腕には100枚ぐらいの書類を抱えたまま、僕の側に立っている。
何か言いたそうな顔なんだけど、僕は彼女が何を言いたいのかがわからなくて、いつもそれを待っているけど何も言わない。
だから、僕は木庄さんに不思議な印象しかない。