とめどなく溢れて流れる涙を剣都は優しく拭ってくれた


「華音のせいじゃない」


「だけど…」


「お客様全員がリピーターになるわけじゃない。

だから、ここにはもう来ないと思う人がいても不思議じゃない。

それに、そんな客なら、こっちから願い下げだ」


「剣都……」


「だから、辞めるなんて言うなよ」


「………。」


「わかったな?」


私は小さく頷いた---