「すみません…」


「華音ちゃん…大丈夫だよ」


「少し頭を冷やしてきます」


「ん、わかった」


悠さんの笑顔が、今は苦しい


私は従業員通路を通り、避難ドアから外階段に出た


照りつける太陽が眩しくて俯く


そしてすぐ込み上がる涙


何も出来ない自分が悔しい…


抑えきれない涙がポタポタと地面を濡らしていく


私のせいで大切なお客様を失った


その事実が私の胸を締め付ける


ホテルにとって、私はマイナスだ…