ビシッ


「痛っ。」


痛みを感じ、おでこを撫でる。思い切りでこピンしなくても…。


「ってそんなことより、狸って本当に居たの?」


真太郎に視線を向けた。


「狸って、こんな人間ぽくないと思うんだけど…。」


ガーンという音が聞こえた気がするけど、

今の私には何も聞こえない。


もっと可愛くて…、小さくて…尻尾もふわふわ…ってイメージがあるんだけど、
この人つり目がちでどっちかと言うと…。


「…狐なんじゃない?」


「てめっ…殺すぞ。」