スッと私の前に立った真太郎は血の匂いがした。


着物の背中の色が少し濃くなっていて、怪我しているのが分かる。


「真太…!!」


一体どうしたの!?


口の前に人差し指を当てられる。

真太郎は「大丈夫。」とアイコンタクトをした。


でもさっきから感じる視線が強くて、

なかなか見る事が出来ない。


チラッと見ると、真太郎を見ているみたいだ。