ドクンッ

心臓が大きく跳ねる。


「悪い妖怪さん。ケホッ…帰って貰えますか。」


背後から近付く強い気配。

息は荒く、歩いてくる足はゆっくりだ。


「まさか…怪我してるの?真太郎…。」


昔から気がつくと真太郎はよく怪我をしていて、一週間目覚めなかった時もある。

なんでそうなったのかも私は全く知らない。


理由を聞いても昔から無反応だった。