バレたというように、目の前の人は睨む。

もう一度息を深く吸って、


「どこ。」


目を見ながら言う。

これだから…と独り言を呟いて頬をかく。


「これだから、変装なんて嫌なんだよ。……しかも釣れた魚は主人とか。」


さっきまであった距離から一気に近づいてくる。

でもずば抜けた速さに、
私は目を見開くことしかできない。


そしてその距離は…もうない。