リン…リン…


あの時の鈴の音…。なんだろう…?


「…!」


柑橘系の匂いなんだけど、甘い香り。


くんくんと香りを追うと
外からだった。

靴箱からサンダルを出して急いで履き始める。

玄関のガラスから見える空は少し暗く、早朝みたいだ。


「よし、」


やっと履けたサンダルで玄関に手を伸ばし、ドアを開けた。