「話せるところまでいいから話して?」
侑亜は小さく頷いて、少しの沈黙のあと口を開いた。
「あのねっ…」
侑亜は包み隠さず全て言ってくれた。
胡桃澤に脅されたこと。
胡桃澤が男子を呼んで、侑亜を犯そうとしたこと。
侑亜をボロボロになるまで殴ったこと。
聞いてると苛立ちが立ちこめてくる。
胡桃澤達にも、守れなかった俺自身にも。
でも、侑亜は
「助けに来てくれてありがと。」
そういってくれたんだ。
ありがとうなんて言われる資格なんてないのに。
「侑亜…ありがと。」
「なんで、孝介がお礼?」
そういって、いつものように笑ってる。
「好きだ。」
その一言で、侑亜の顔が真っ赤にそまった。
「あたしもっ…好き」
俺たちは初めて唇をかさねた。