「うん、でももう十分ゆっくりしたから、二人がいい」


「……うん、二人がいい」


「じゃあ一緒に作ろうか」


「うん!」



なんだか上手く丸められた気もしたが、慎が喜んでくれるならなんでもいいのかもしれない


「何つくるんだ?」


「グラタン、だめ?」



慎と作るならなおさら新しいのに挑戦してみたい


そんな好奇心をもろに出している翼に慎はもう何も言えなくなる


そのくらい溺愛しているのだろう


「否、作ってみようか。美味しくできるといいな」


頭を撫でられて胸がきゅんとする

今日1日だけでも大好きがもっともっともっと、たっくさんになっていく


慎は映画に出てくる王子様みたいにかっこいい

なんだかドキドキする……

と、翼は料理ができるまでずっと慎にドキドキしていた


慎はわかってるのかわかってないのか、わざとらしく翼に甘い声を贈っていた