砂糖とミルクをたっぷり入れて、
”甘くなったかな”と口をつければ
やっぱり苦くて飲めなかった。





顔を歪めたあたしを見て
小さく笑った紗希は、





「 なんの冗談? 」





そう言って、ケラケラ笑い出した。
珈琲は甘くならないのかな、と
掻き混ぜていると紗希の笑い声が
聞こえなくなって、顔を上げると
驚いた顔であたしを見ていた。





「 ・・・・嘘じゃないの? 」


「 うん、本当のこと 」


「 ・・・・いつから? 」





同じ大学に通いながらも、お互い
学部が違うからか会うことはない。
たまに会っても時間がなかったり、
だから今日図書館で会ったときには
お互い驚いて、自然と一緒に行動していた。