読んでいたものを含めて三冊。
いつもより少ない本の数に
やっぱり紗希は不思議そうな
顔をしていた。





「 あら、菜緒ちゃん。
  三冊なら一日で読めちゃうでしょ? 」


「 はい、読めます 」


「 じゃあ、明日返却かしら? 」





常連のあたしにおばちゃんは
笑いかけた。





「 う~ん・・・明日はちょっと
  用事があるから、一週間で
  お願いします・・・ 」


「 あら、そう? 」





苦笑しながら頷けば、
”じゃあ、一週間後にね”と
本を差し出された。