落とした携帯を拾い上げる手は 緊張と、それから嬉しさとで 震えていた。 分かっているけど、 だけど楓くん。 「 あたしは単純だから、 期待しちゃうよ・・・・ 」 憧れだった彼と話をできることが、 メールのやり取りとすることが、 もう日課になってきていた。 目隠しをされたように周りが見えない。 ただ見えるのは”自分の夢”だけで。 彼に溺れているのが、 痛いほど分かった。