”平間 楓[ヒラマ カエデ]” 小さな紙に名前と番号、 それから妙に長いアドレス。 綺麗な字だな、と 家までずっと紙とにらめっこして歩いた。 「 ・・・・楓さん、か 」 そう言えば、今日一回も呼べなかったな。 明日・・・呼べるといいな。 電話帳に彼の名前がある。 それだけで頬が緩んで、 送ったメールがすぐに返ってきて またあたしは一人緩む頬を 必死に押えていた。