「 ・・・・すいません 」


「 いいえ、どうぞ 」





”大丈夫ですよ”と言えば
すいません、と小さく頭を下げて
楓くんは裏へと入っていった。





レモネードを口に含んで、
飽きない大好きな味を楽しむ。





「 ・・・・これから仕事? 」





流れていた音楽が止まって、
次の曲に入るまでは少し
間があった。





「 そっか。大変そうだね?
  ・・・いや、今度は俺が行くよ 」





静かな店内に響く彼の声に、
彼は気付いているんだろうか。