「 ・・・・あたしほど、ですか? 」





他のところには触れず、
そこを突っ込めば”そうですよ”と
苦笑されて、





「 あたしも、楓くんほど話の合う人は
  会ったことがありません 」





レモネードを喉の奥に流し込めば
喉まで出掛かっていた”好き”が
少し引っ込んだ。
”まだだめだ”と自分に言い聞かせて
少し話を逸らして、お互い好きな
本の話をしていた。





「 それで・・・ 」





────────ヴヴ..ヴヴヴ...





お昼前になって、珍しく
電源を切り忘れたのか
鳴り出したバイブ音は
楓くんの携帯のものだった。