「 だけど菜緒ちゃん?
付き合ってないのに休みに
デートしたり、手握られたり、
菜緒ちゃんだって彼女として
見られてもおかしくないんだよ? 」
「 それ、は・・・天然だから・・・ 」
「 だから、舞さんだって菜緒ちゃんと
同じかもしれないでしょう? 」
諦める、なんて無理なくせに、と
辛そうに笑う紗希があたしの
頭をポン、と叩いて、
「 目冷やして、それで明日
確かめておいで?
泣くのはそれからだよ、菜緒ちゃん 」
まだ希望はあるよ、と
諦めないで、とこんなあたしに
まだ手を差し伸べてくれる。
ごめんね、と何度も謝りながら
その日は紗希の部屋に泊まって、
腫れた目を冷やしていた。